「弁償させてよいか」ではなく、紛失の経緯と管理状況から確認する
従業員に金銭的な負担を求めるかどうかは、故意や重大な不注意の有無、会社側の貸与記録や持ち出しルールの整備状況によって判断が変わります。備品の弁償額を検討する前に、まず紛失の経緯と会社側の管理状況の両方を確認しておくことが重要です。
確認ポイント
- 紛失した備品と貸与者を記録していますか
- いつ、どこで、どのような状況で紛失したのか確認しますか
- 故意や重大な不注意がなかったか確認しますか
- 備品の持ち出し・保管ルールを定めていますか
- 購入価格だけでなく、使用期間や現在の価値も確認しますか
- 従業員に負担を求める場合の社内ルールを決めていますか
- 給与から一方的に弁償額を差し引く運用になっていませんか
- PCやスマートフォンの場合、情報漏洩への対応も行いますか
こんなケース、どうする?
社用スマートフォンを電車に置き忘れた。
端末の捜索だけでなく、遠隔ロックなど情報漏洩を防ぐための対応を優先し、その後に紛失の経緯を確認します。
貸与した備品を何度も紛失している。
今回の損害だけでなく、これまでの経緯や会社から行った注意・指導、備品管理のルールを確認します。
10万円で購入した備品を3年間使用した後に紛失した。
購入時の価格をそのまま損害額と考えず、使用期間や現在の価値なども含めて確認します。
「弁償代を今月の給与から引いておいて」と上司から言われた。
備品の損害に対する責任と給与の支払いは分けて考え、会社の判断だけで給与から控除してよいかを確認します。
そもそも誰に貸していたのか分からない。
従業員の責任を検討する前に、貸与・返却を記録できる資産管理方法を整える必要があります。