会社として明確に禁止を発令する

こうした人間関係を悪化させるリスクを含んだイベントについては、会社から明確に禁止を発令することも一つの方法です。従業員としては、会社のルールを理由に、気兼ねなく慣習から降りることができるようになります。例えば、経営や総務から次のような通達を出します。

社内におけるバレンタインデー・ホワイトデー等の贈答について

当社では、働きやすい職場環境の維持と、従業員間の公平性を確保するため、社内におけるバレンタインデー・ホワイトデー等の贈答(義理チョコや返礼など)を禁止いたします。

個人間であっても、社内フロアでの授受はお控えください。

また、取引先からのご厚意については、丁重に辞退するか、総務部へご相談ください。

重要なのは、単に「義理チョコは不要です」と呼びかけるだけではなく、会社としての方針を示すことです。「会社で禁止されているから」という、従業員が断るための理由を用意してあげることがポイントです。

禁止する対象を明確にする

全面的に禁止する場合には、その対象を明確にしておく必要があります。例えば、バレンタインに限らず日常的な差し入れや旅行のお土産まで禁止するのか、職場内での贈答だけを対象にするのか、といった点です。また、取引先からの贈答については、社内の贈答品管理ルールとの整合性も確認しておきます。個人間の好意そのものを否定するのではなく、職場での負担や同調圧力をなくすことが目的であると説明することが重要です。

確認ポイント

  • 義理チョコの購入や配布が職場の慣習になっていないか
  • 割り勘やカンパへの参加を断りにくい状況がないか
  • ホワイトデーのお返しが負担になっていないか
  • 禁止する対象や場所を明確にしているか
  • 取引先からの贈答について対応を決めているか
  • 会社として方針を周知しているか

こんなケース、どうする?

「義理チョコは個人の自由では?」と言われた。

個人の好意による贈答と、職場の慣習として行われる義理チョコは分けて考える必要があります。会社として禁止する場合には、従業員の私生活まで制限するのではなく、職場内での贈答や集金など、業務環境に関わる範囲を対象にするのが適切です。

「女性社員でお金を出し合って購入しよう」と言われた。

任意のカンパであっても、参加を断りにくい状況が生まれることがあります。会社として義理チョコを禁止するのであれば、共同購入や集金についても対象に含めることを明確にしておきます。

取引先からバレンタインのチョコレートが届いた。

社内の贈答品管理ルールに従って対応します。取引先からの贈答も禁止する方針であれば、丁重に辞退するなどの対応が考えられます。ただし、従業員間の義理チョコと取引先からの贈答は性質が異なるため、必ずしも同じルールにする必要はありません。

禁止したのに、従業員がチョコレートを配っている。

まずは会社の方針と禁止の趣旨を説明します。単なる贈答行為を直ちに懲戒処分などの対象とするのではなく、集金の強要や業務への支障など、実際に生じている問題も踏まえて対応します。