有給休暇は理由を問わず取得できる。「私用」を理由に拒否できない

有給休暇は原則として従業員が自由に利用目的を決められる権利であり、会社が取得理由の内容によって承認・不承認を判断したり、「私用」であることを理由に拒否したりすることはできません。ただし、多数の従業員から同じ日に申請が重なった場合など、時季変更権の行使を検討するために必要な事情を確認する場面は別に考えられます。

確認ポイント

  • 有給休暇の取得理由によって承認・不承認を判断する運用になっていないか
  • 「私用」だけでは申請を認めない運用になっていないか
  • 有給休暇申請書やワークフローに取得理由欄を設けている目的は明確か
  • 必要以上に具体的な私生活上の事情を記載させていないか
  • 上司によって取得理由の聞き方や承認基準が異なっていないか
  • 有給休暇の取得理由と、時季変更権を判断するために必要な事情を混同していないか
  • 不要な取得理由欄が慣習的に残っている場合、削除できないか検討しているか

こんなケース、どうする?

「有給休暇の理由を詳しく書いてください」と上司から言われた。

有給休暇の利用目的は原則として従業員の自由です。会社として具体的な理由を確認する必要があるのか、目的を整理していますか。

有給休暇の理由に「私用」と書いたら、上司から申請を差し戻された。

「私用」という理由だから取得を認めない運用になっていませんか。理由の内容によって有給休暇の取得可否を判断していないか確認していますか。

「旅行に行くためなら有給休暇は認めない」と言われた。

旅行や趣味などの私的な目的であることを理由として、有給休暇を認めない運用になっていませんか。

「理由を言いたくありません」と従業員から言われた。

理由を確認する必要性があるのかを整理し、単に申請書に欄があるという理由だけで詳細な説明を求めていませんか。

有給休暇の申請書に「取得理由」の必須入力欄がある。

その情報を何のために取得しているのか確認し、業務上必要がなければ任意入力や項目自体の廃止を検討していますか。

同じ日に複数の従業員から有給休暇の申請があった。

有給休暇を何に使うのかではなく、全員がその日に休むことで事業の正常な運営を妨げるかという観点から、時季変更が必要か判断していますか。詳しくは有給休暇の時季変更権もご確認ください。

上司によって「私用」で承認する人と、詳しい理由を聞く人がいる。

有給休暇の申請について、上司個人の考え方によって運用が変わらないよう、会社として共通のルールを周知していますか。